取り付け工事の救世主

日々の監査証跡

小さな会社、小さなテナント。ちょっとした工事も基本的には自分達でなんとかすることになりますが、意外に悩むのが「何かを壁にしっかり固定しなければいけない場合」です。部屋の壁は大体石膏ボードになっているため、ビス・ネジをねじ回し(一般にドライバーと言われる工具だが、JIS規格的にはこちらが正しい呼称)で無理矢理ねじ込んでも、当然スカスカしてしまいます。先にドリルで穴を開けて、プラグを差して、その上からビス…と言うコンクリート壁と同じようなやり方でもある程度は行けますが、石膏ボードの厚みが足りず、しばらくするとぐらついてきたり、最悪施工中に後ろに抜け落ちてしまいます。

石膏ボード用のドリラーなら?

もちろん、石膏ボードなんてそこら中にあるため、こういった悩みごとは多く、石膏ボードにビスを固定するためのグッズは色々出ています。もっとも手軽に使えそうなものに、いわゆる「ドリラー」というものがあります。その名の通り、ドリルの様な構造のものを石膏ボードに直接ねじ込み、その中にビスを指す…というやり方です。簡単だし、しっかり固定してくれますが、石膏ボードの劣化がストレートに保持力に影響するのと、タオル掛けなどの、断続的に不可がかかるものだとドリラー周りの石膏が削れてぐらついてきます。ちょっと重いものだと、ある日突然壁から落ちてきます。湿気がこもりやすい場所では石膏ボードが弱くなりがちなので、特に要注意です。

じゃ、トグラーならどうだろう?

次に、トグラーという選択肢があります。これは、先に述べた「ドリルで穴を開けてプラグを差す」やり方と同じですが、コンクリートにも使うようなプラグでは無く、ビスをねじ込むと石膏ボードの裏で羽が開く構造の樹脂製のプラグ(通称トグラー)を使います。しっかり固定してくれますが、ドリルで8mmから10mmと、比較的大きな下穴を開ける必要があるのでちょっと面倒なのと、全体が軟質樹脂で出来ているためビスをねじ込んでいる間に壁にめり込んでしまったります。また、トグラーのサイズが石膏ボードの厚みと合わないとビス固定時に回転してしまうこと、アンカーが2方向にしか展開せず、上下または左右どちらか一方に対するぐらつき耐性が低いこと、取り外しと取り付けを数回繰り返しているうちに締まりが悪くなること等もあり、ちょっと微妙です。

救世主:スチール製ボードアンカー

何度か失敗を重ねる中で、ボードアンカーと言うスチール製のものに落ち着きました。単価が高めなので敬遠していましたが、ドリラーの手軽さと、トグラーを凌ぐ安定感を両立出来ています。何より、一度取り付けたら、ビスの取り外し→再取り付けには滅法強いです。取り付け行程としては:

1.ドリラーと同じ要領で時計回りにそのままねじ込む。壁にすっぽり入ったら、少し押して壁に爪を引っかけて、さらに回す。こうすることで、石膏ボードの裏側でアンカーが開脚します。


2.充分固定されたら、今度は反時計回りでビスを抜きます。ある程度緩くなったら指でも簡単に取り外せます。

3.後は、器具を自由に取り付けできます。取り外した後は、穴の周りのスチールが結構目立ちますが、残る穴は比較的小さいため、そこまで気になりません。

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「壁に穴が空いている」と言うよりは、「壁に何かを取り付けられるようになっている」という感じです。唯一の欠点は、取り付けたら最後、基本的には取り外せないことでしょうか。トグラーは軟質樹脂ですので頭を削り落とせば残りは石膏ボードの裏側へ落ちていきますし、ドリラーは反時計回りに回せばそのまま取り外せますが、スチール製のボードアンカーはやはり頑丈です。無理に取り外そうとして5cmの風穴を残したという報告もあるので、シールで隠すのが無難ですね。

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