最近二重国籍が話題になっておりますが、この一連の報道を見ていて、是非の議論は120%措いても、なんだか他人事でもないと感じるので雑談。今回は株式会社TeDaMaとして~ですとかではなく、アーノルド・フランクの個人的な話ですが、お付き合い頂ければと思います。
二重国籍からオランダ人へ
日本で仕事をする目的で来日したのはこれを執筆する現在では既に11年前、日本に来て12年目になります。ご存知の方も多いと思いますが、私はオランダ人の父と日本人の母を持つ、俗にいう「ハーフ」です(ダブルとは呼ばないのは、日本人の謙遜を重んじることの現れでしょうか)。オランダで生まれたので、オランダ人ですが、母が日本人であるため手続きのすえ母の戸籍にも入りました。そしてもちろんオランダの当局にもその旨報告をします。はれて二重国籍ですね。
オランダだと確か国籍を選択するのは18歳なのですが、成人として認められ、選挙権含め様々な権利と義務が発生するのと同じタイミングです。私の頃は、徴兵制度もありました。オランダに限った話ではありませんが、何か大きな変化がある場合は必ず過渡期や移行期間が設けられるのに、人生の一大マイルストーンはなんだか強引な仕組みになっていますね。オランダの国籍を取得し、日本の国籍を放棄する旨をオランダの当局に届け出るわけなのですが、具体的に何をしたのかは正直うろ覚えです。ともかく、無事100%オランダ人になれました。
そして日本へ…
色々あって日本で仕事をさせて頂くことになりましたが、当然これには日本の就労ビザが必要です。もちろん、就労ビザというものは、何のコントロールもなしに発行していては下手すると自国民の就職先がなくなってしまいます。発行するには、少なくとも建前の上では、「この人でないと駄目なのだ!」という理由づけを就職先が明示しなければなりません。
なんとか認めてもらえ、申請をしていただいた企業に招致いただき、来日後さくっと外国人登録の手続きも済ませ、はれて在日外国人となりました。私の場合、決め手となったのが母が日本人であるという理由です。その根拠資料となったのは、母の戸籍と、その戸籍に乗っている私の名前…って、あれ?
戸籍に記載されている人は日本国籍を有する
戸籍なんてなんだかさっぱり知りませんでした。母の戸籍を見た時も、「へー、ファミリーツリーが公的な書類として存在するなんて面白いな」と思ったくらいで、日本社会における戸籍の位置づけが、オランダで言うところの国籍とほぼ同義だとは思いもしませんでした。なにせ、母の戸籍を決め手として私の就労ビザの申請がスムーズに運んだという事実がありました。今思えば、この時点で日本人だということが発覚していたはずなのに、普通に外国人登録が行われ、外国人登録証も発行されました(今でいう在留カード)。
受理されない婚姻届け
日本にいながら、日本国籍があることの自覚もなく、時は過ぎて…出会いに恵まれ結婚する運びになりました。国際結婚というやつです。ところが、いざ手続きをしに御役所にいくと、「あなたはお母様の戸籍に記載があるので、アーノルドの姓での婚姻は認められません」と…あ、あれ~
しまいには、外国人登録証の発行は、不正な発行ですとまで言われてしまい、散々でした。無知って駄目だな、と猛省していました…と大人っぽいことを言いたいところですが、そんな感情は毛頭なく、私が日本国籍を有するものだと言う事実があったのに、何故御役所の方々は来日当初から突っ込んでくれなかったのだろうか、と憤りの気持ちでいっぱいでした。
そして離脱へ…
言い訳すると、戸籍の仕組みって、珍しいんですよね…自身を証明する根っこが、家族単位だということ、管轄が居住地の御役所ではなくても良いことは、いまだに不思議な感じがします。韓国では思い切って廃止してしまったようですが、その際に混乱が生じたのかなど、気になるところです。
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