(高級)自転車大国オランダ

雑記中の雑記

オランダは、通の間では自転車大国として有名です。多くの方々が自転車で通学・通勤をし、自転車専用道路の整備も進んでいます。自転車が交通の一部として浸透しているため、オランダの自動車教習上では受講生に自転車専用道路の仕組みも教えていて、一般的に交通マナーに大変疎い自転車運転手とのアクシデントを未然に防ごうと色々工夫がなされています。自転車の運転にはオランダでも特段免許が必要というわけではないので、せめて自動車が気を付けましょう、ということですね…。

罰金科せられるのは日常風景

…ですが自転車も野放しと言うわけではなく、道路交通法違反はしっかりと取り締まられます。自転車で信号無視しようものなら、発見次第警察の方が鬼の形相で追っかけてきます…パトチャリで、です。このパトチャリは、性能も折り紙つきですので、見つかったら最後、90ユーロの罰金が科せられます。ちなみに歩行者でも65ユーロ、障碍者等が利用する電動カートの類は自転車と同じ扱いで90ユーロです…厳しいです。オランダで運転中に自転車にいきなり飛び出されたら心臓が止まりそうになりますので、厳しいくらいでちょうど良いとは思いますが、意外にも違反者は日常的に見かけるのがまた不思議です。尚、自転車運転手に対する取り締まりだけでなく、当然自動車運転手に対しても厳しいです。自転車の道路横断が優先なケースが結構あり、これに違反すると自動車側に230ユーロの罰金が科せられます(横断歩道を横断中の歩行者を妨害する場合と同じ)。

自転車大国なりの苦悩

オランダは、本当に自転車がありふれています。前述の自転車専用道路は、タイプも様々で、道路の一部を赤色に塗った「自転車専用レーン」もあれば、車道に隣接した対面交通型の専用道路もあります。信号も、自転車専用のものがあるくらいです。自転車に親切というのはもちろん、交通安全の面でもプラスという印象を持たれると思います。実際のところ、効果のほどについては実ははっきりとしていなくて、全体の交通事故死が年々減少傾向にあるなか、自転車の交通事故死は横這いだとか。数が多いのも関係して自転車の不法投棄も多く、アムステルダムやライデン等、運河の多い市では多くの自転車が運河のそこに沈んでいます。もちろん、そのまま放置しておくと交通(船!)の妨げになりかねないので、巨大クレーンゲームの様な装置を搭載した船が定期的に掃除を行います。

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自転車大国なのに自転車が高い?

需要が多いから自転車も安いかと思いきや実はそんなことはないのです。私も、日本に来て、日本の自転車の安さには驚きました。通学に使っていた自転車(小学生用)も、当時の円換算で6~7万円程度だったと記憶しています。新品で1万円台~2万円台の自転車なんてあり得ないです。理由としては大きく三つ考えられます。一つは、人件費が比較的安い国に囲まれている日本では、自転車の製造原価も抑えられる、というもの。ただ人件費の違いだけでは当然限界があるので、単純に品質の違いという面もあるかとは思います。三つ目は、オランダ自体の問題で、自転車の流通の仕方にあると聞きます。年に一回、新モデルの展示会があり、そのときに翌年の分を小売りがメーカーに発注します。過剰発注→在庫処分のサイクルが慢性的になっており、これが「希望小売価格」の値段を押し上げる要因になっているとか。実際、自転車の価格はEU内でもトップです。

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