症例報告書、データ入力進捗管理、クエリレポート、監査証跡レポート、データ出力等々、Promasysには標準で70を超える帳票が搭載されています。多くがPDFの帳票出力、一部がCSV形式のデータ出力の形になっています。そのままでも充分利用できるものなのですが、導入先のニーズによりフィットさせるために、ある程度のカスタマイズが可能です。例えば、見出しを日本語にする、帳票の項目の並びを変更する、PDF形式として出力されるものをCSV形式でも出力する等…「Report Designer」という機能を使うことで、自由に再設計ができます。本稿では、この機能についてさっくりと紹介をします。
あくまで自己責任で!
一つ重要な前置きが、Report Designerを使用してのレポートのカスタマイズは、あくまで導入先が自己責任で行う、という点です。カスタマイズしたレポートについては、基本的にベンダーのヘルプデスクで対応できません。また、当然、カスタマイズされたレポートについてはベンダー側でバリデーションを行っているわけでも無いですので、要求仕様と受け入れテストをしっかりと記録するようにしたいです。
カスタマイズしてもできないこと
レポート出力の仕様上、できないことがいくつかあります。代表的なのは次の二つです:
- 集計や、行列変換等は不可
- グラフ生成は不可
少し細かい話をしますと、Promasysは、レポート生成時にデータを一行ずつ送ります。送られた行を都度処理して、レポートを構築しています。従って、カスタマイズの範囲もこの仕様に縛られてしまいます。項目の順番の入れ替えや列幅の調整、既定のレイアウトには無い項目の追加、注釈の追加等々は可能です。
Report Designerの起動
レポートのカスタマイズに必要なReport Designerは、通常は管理者にのみ権限が付与されている「Access Control」モジュールの「Reports」タブからのみ起動が可能です(クリックして拡大):
編集してみる
通常は、レイアウト内のすべてがロックされていて、内容を確認することはできますが、一切の編集を受け付けません。画面左の「Objects」一覧の一番下が、レポートのレイアウトなので、まずそれのロックを解除します。これで編集可能な状態になるのですが、このまま保存してしまうと既存のものが上書きされてしまうので、すかさずメニューから「Save As…」を選択し、別の名前で保存します。ファイルの命名規定は【レポート名_レイアウト名.lst】となっています。例えば、Case Report Formをカスタマイズするときは、レポート名が「rpt-bigcrf」なので、新規レイアウト「custom」を作る場合は、ファイルを【rpt-bigcrf_custom.lst】にします。別名での保存が完了したら、レイアウトの変更したい部分をダブルクリックし、項目が編集できるウィンドウを展開させます。
怖がらずに試行錯誤
いきなり編集と言われても、なかなか怖いものがあります。ただ、別名として保存しているので、万が一の時にはいつでも元の状態に戻ることができます。また、レイアウトは全て編集をしている端末側での保存になるので、万が一別名で保存をするのを忘れた場合でも、全てのユーザーに迷惑をかける…等と言うことはありません。まず、仕組みを理解するため、見出しを一箇所のみ日本語に直してみて、上書き保存後、Report Designerを終了して実際に出力してみることが推奨されます。何度かやっているうちに、おっかなさも少なくなってくると思われます。編集したレイアウトを出力に利用するには、レポートの設定画面で「Options」をクリックし、「Layout」からカスタムレイアウトを選択します。上述の例の様に、「rpt-bigcrf_custom.lst」と保存した場合は、レイアウト一覧に「custom」と表示されます。
腰を据えて…
今回、Report Designerの起動と、カスタマイズしたレポートの出力方法に内容を限定しておりますが、実際の操作方法を詳細に解説するのはブログの範囲ではなかなか厳しいものがあります。また、「プログラミング不要」を掲げているPromasysでも、この機能についてはプログラミングの知識までは必要なくても、「Excelは関数含め、ある程度使いこなせている」程度のIT力は必要になってきます。また、レポートデザインの詳細なマニュアルはありますが、英文のみとなっている上、マニュアル自体もある程度のITリテラシーを前提としています。レポートのカスタマイズのトレーニングも随時受け付けておりますので、独学だけでは不安と感じられる方々は、是非ご相談下さい。
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