先日OmniComm Systems, Incのホームページにて「OmniComm Systems and CHDR Announce Collaboration」という発表がありました。開発したてホヤホヤの技術を、いち早く現場で利用するのが目的です。ライフサイエンス分野では、とある技術が開発されてから、それが臨床試験の現場で実戦投入されるまでには時間が経過してしまいます。早めに実戦投入できれば、現場での使用データも早くあがり、製品の改修にも役立つし、使用者も最新の技術をいち早く利用できるということになります。そのための協力関係ですね。
ご存じの方も多いと思いますが、私の社会人生活は、立場こそ色々変わっていても、Promasysにはじまって、現在に至っております。もともと、Promasysは、私の最初の就職先、オランダのCentre for Human Drug Research(CHDR)という研究機関にて1988年から開発が開始されたものです。CHDRはもともとアカデミア(ライデン大学)からスピンアウトした機関であり、電子化の重要性を理解していました。当時は市場に出回っているシステムも少なく、あっても成熟しているとは言いがたいものだったため、「じゃ、自分で作るか」と言う流れになったとのこと。PromasysにProgress OpenEdgeという、ライフサイエンス業界では聞き慣れないデータベースが採用されていることも、当時ほぼ唯一LAN環境で利用できるのがこのデータベースだったからです。なお、名前のPromasysは、もともとProtocol Management Systemの略ですが、もちろん「約束します」という意味も含んでいます。
まだまだ紙での運用が主流だったため、紙媒体のデータ収集用紙を出力し、それをシステムに入力して電子化するためのシステムで、いわゆるCDMS(データ管理システム)として開発が開始されました。そこから、紙での収集に加えてWeb入力画面やiPad入力画面を実装してきたのが、今のPromasysです。今ではOmniComm Systems, Incの一製品となっているPromasysですが、CHDRもPromasysの開発プロセスは良く理解をしていて、そのため可能になった協力関係というわけです。
協力関係の第一弾は、ePROアプリです。Promasysのユーザーさんには機会があれば開発段階のものをチラ見せしておりますが、いままで(金銭面含め)実現困難なため構想段階からポシャっていた研究も、どんどん可能になると期待しております。
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