平成28年度日本臨床薬理学会CRC海外研修に先立ち

CRC海外研修

今月、いよいよ平成28年度日本臨床薬理学会CRC海外研修が開催されます。参加者の方々からは、学会等の帰朝報告にて詳細が語られると思いますが、当ブログを通して、私からも同行した上での印象を綴っていこうかと思います。年々ある程度スケジュールが見直される海外研修ですが、今年は、はじめて訪問する箇所(施設は同じでも科が異なる等)が過去最多かも知れません。私の役目は、時には参加者にオランダの背景事情を語り、時には訪問先の方々に日本の事情を説明し、質疑応答についてややこしいトピックの一部通訳であったりと、広く浅く様々です。こうも初めて訪れる施設や診療科が多いと、自分自身が各訪問先のプレゼンに聞き入ってしまい、プレゼンターと参加者の間でコミュニケーションが成立しているかの確認を怠ってしまう危険を孕んでいます。

今回、毎年ほぼ慣例になっていた私の古巣は、先方の監査対応とバッティングしてしまい泣く泣く削ることになりましたが、それでもスケジュールはぎっしり詰まっております。今回訪問を予定している中で、個人的に大変興味を持っているのが、Dutch Clinical Trial Foundation(略してDCTF)です。こちらは、日本語でいうところの産官学連携を推進しようとしているところですが、まだまだ誕生から日が浅いです(正式な設立は2011年)。オランダの同意説明文書の標準化についても、こちらで引き続き作業が行われているようです。オランダでは、大分前から患者同意説明文書が、説明資料というよりも、製薬会社の免責目的を前面に打ち出していることを問題視しており、長すぎて難解な同意説明文書の改善に努めてきました。

最初のうちは「シンプル・イズ・ベスト」に比重を置いて検討をしてきたのですが(1500単語以内、語彙は中卒レベル相当)色々な方々の話から、結局これを取り入れる製薬会社は少なかったと理解しています。今回のテンプレートも相変わらず基本1500単語という強気な姿勢は崩していませんが、複雑な研究においては2500単語までOKであったり、倫理審査委員会提出時に文字数の根拠を付記するであったりとガイダンスが具体化されている印象です。説明文書の書き方の例示も、非常に簡素ではありますが、各分野別に数行で示されています。いわゆる「writer’s block」防止にはなるのでしょうか。ホームページはオランダ語のみですが、詳細についてはこちらを参照ください(英語版テンプレートの直ダウンロードはこちらから)。オランダ中央倫理委員会(CCMO)はもちろんのこと、オランダ版製薬協である「Nefarma」、オランダ看護介護職協会である「V&VN」等も支持を表明しています。

仕事はもちろん、オフタイムに収集できるネタもしっかりと報告していこうと思います。毎年訪れている「Bonte Koe」というチョコレート工場は、オランダを訪れるなら是非立ち寄ってもらいたいお店の一つです。何度も記事に使用と思っていたのですが、毎回チョコに夢中になっていたためか、写真がほとんどないのです…なお、本投稿のサムネは、当ショップで売られているピスタチオをトッピングした、チョコに浸したヌガーです。

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