DIA日本年会も本日無事終了し、本来であればいつもの独り言レベルの感想文を投稿しているところですが、今回は学会のメイントピック(EDC屋さんとしての収穫)以外に、ペーパーレス化が大変気になりました。EDCの商売をしていると、一部の売り込み先ではまず紙媒体(紙での運用)との勝負になります(文書管理システムも然り)。額面だと、紙媒体での運用にはなかなか敵わないところがあり、予算が限られている場合にどうしても紙媒体が選ばれがちです。でも、本当は予算が限られているからこそ、ペーパーレス化に踏み切るべきだと、個人的には思います。
紙媒体は最高の贅沢
弊社みたいに記事執筆段階でスタッフ3~4人で動いていて、仕事が立て込むとリソースの逼迫が著しく、紙媒体での運用にかかる労力は馬鹿に出来ないと余計に実感できてしまいます。これに割かれている労力をXとして、オールペーパーレスにした場合にその半分まで節約できるって仮定しただけでも、安価な文書管理システムならうちの少人数体制でも元が取れそうな勢いです。郵送物1つとっても、該当文書の印刷、カバーレターの作成、捺印または署名、投函…メールなら5分で済む話が…
郵送物の「手を動かす時間」等のわかりやすい労力以外にも、例えば紙媒体の検索性の悪さがあります。どこだっけ~と探すのに費やす時間は、相当なものです(当然、パソコンのフォルダ構成がお粗末な場合も同じことが起きますが…)。これは、比較的わかりやすいですね。すぐには見えないのは、保管場所のコストではないでしょうか。そして、限られた保管場所でやりくりするために定期的に発生する文章の大量廃棄にかかる時間も、相当なものです。
拡張性が無いのも、何かと問題です。紙媒体だと、キャビネットがいっぱいになって、廃棄サイクル前の文書ばかりならキャビネットを買い足す以外に選択肢はありません。電子媒体では、仮にハードディスクがいっぱいになったとしても、容量の大きいハードディスクに換装してデータをコピーすることが可能です。ハードディスクを一枚増設した場合でも、購入費も維持費もスペースもキャビネットのそれとは、喧嘩にすらなりません。次回、大規模研究を紙で動かそうかと考える前に、もう一度落ち着いて考え見てください:何キロ(又はトン)の紙を、何年間保存することになるのか…
紙媒体を完全に否定するものではありません。お勉強用の書籍はPC画面だと個人的にはつらいし、メールよりも手紙の方がうれしいと思えることだって否定できません。以前も書いたことがありますが、紙には紙なりの情報量があると思います。問題は、その紙特有の情報量がIRB資料、検査伝票、症例報告書、CTDには不要なものなのでは無いか、と思えるところです。背幅10cm超のIRB資料に審査員がウキウキするなら別ですが…
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